住宅ローンのがん団信はお得なのか!?
いつもありがとうございます。FPよこやまです。
今回は、住宅ローンを組む際にほとんどの場合加入する、団体信用生命保険について話をしていきたいと思います。
団体信用生命保険とは?
そもそも、団信(団体信用生命保険)とは、住宅ローンという多額のローンを背負うリスクをカバーするもので、シンプルに言うと
「世帯主が死んだら残りのローンがチャラになる」
というものになります。
多額のローンを残して債務者が亡くなった場合、残された家族が住宅ローンを払っていくことは現実的に不可能になることが想定されます。
その結果として、家は銀行に差し押さえられてしまいます。
ですが、一度住んでしまえば住宅の価値は激減するため、銀行がその家を再販してもまず、債権の回収はできません。
よって、団信とは残された家族を守るものでもあり、銀行にとってのリスクを排除するモノという性質を持っています。
じゃぁ、がん団信って何なの?
いわゆる、がん団信というものは、
一般団信と同じように、死亡したときにも住宅ローンの残債はチャラになるし、
「ガンにかかって所定の状態になった時」にも、
住宅ローンがチャラになるというものです。
世の中の3人に1人ががんになるって言われているこの時代に!!!
がんになったら住宅ローンがチャラになるって、めっちゃお得じゃん!!!と思いますよね!?
んなわけないんですわwww
がん団信に入る価値はあるのか?
結論から言うと、がん団信に入る必要は全くないと考えています。
まず、シミュレーションしてみましょう。
30歳男性、サラリーマン、3500万の住宅を購入、フルローン、一般団信は年利1.0% がん団信にすると0.2%金利が上がり、1.2%になる。
・一般団信に加入したときに住宅ローン総額(1.0%)
4149万5820円
・がん団信に加入したときの住宅ローン総額(1.2%)
4288万56円
差額:138万4236円
つまり、138万円払うことで、がん団信が付加されていると考えることができます。
これが費用対効果としてどうなの?て話になってきます。
確かに、住宅ローンを組んですぐにがんにかかったら残債がチャラの場合だと、ものすごく効果が高く感じます。
じゃぁ、何歳になったらがんになる可能性が高いのか。
国立がん研究センターの統計によると、男性で60歳~65歳の間でやっと1%の人ががんにかかる統計となっています。
70歳前後でやっと2%です。
そもそも住宅ローンって35年で組みますよね?
30歳で住宅ローンを組んだら65歳で完済するわけです。
年々残債が減っていくということは、チャラになる金額がどんどん減っていくということですので、がん団信の効果は逓減していきます。
そして、表で示した程度の罹患率でしかありません。
3人に1人はがんになる、というデータは正しいのかもしれません。
しかし、あくまで人間が死ぬまでにがんになる確率です。
住宅ローンの払い込みが終わるまでにがんになる確率はものすごく低いことがわかりますね。
そのために138万円を追加で支払うことはコスパ悪くないですかね?
がんは今や治る病気
近年では、がんを早期発見する技術がかなり進歩して、今や治る可能性が高い病気です。
一般団信みたいに「死亡・高度障害」といった絶対に働けない状態に対する保険とはまた意味が違ってきますよね。
結果として、がんになっても働くことは可能なのでわざわざ保険によって回避すべきリスクではない、という答えになるかと思います。
あくまで確率論でしかありませんが、参考にしていただけたら幸いです。